鍼をするとどうなるのでしょう。 |
鍼鎮痛の研究史
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はりをすることで身体にどのような影響が起こるのでしょう? はりがどのようなものかはおわかりいただけたと思います。では私たちの身体にはりをすることでどのような影響が起こるのでしょう?古くから言われているのが経絡を流れる気の調整というもの。これはとてもわかりにくいです。しかし、現在では様々な研究が行われています。多くは痛みに対する治療に用いられてきました。しかし、その理由が科学的にわかりはじめたのは1958年の中国上海の実験にさかのぼります。そのあたりを少々調べてみました。なにやら左の表を眺めていると鍼をすると鎮痛が起こるらしい・・。しかもいろいろな説があり、どうやら身体には痛みをゆるめる物質(脳内モルヒネ〜β-エンドルフィン)を作る仕組みがあり、その受容体があちらこちらにあるらしい。確かに極端な傷を負った場合、その部位に発生するのは「痛み」ではなく「しびれ」ということになるのですね。本当ならすごく痛いはずなのに「痛くないです。すごくしびれているけど」などと救急車で運ばれる寸前のけが人が言っていたりする。痛みが抑えられているのです。そのシステムに鍼は似ている・・という研究が行われているのです。もう少し細かく見ると「ゆったりとしたマッサージや振動、低周波経皮通電も痛みをゆるめるし、強力な電撃様刺激、指圧の刺激、DNIC(*広汎性侵害抑制調節:体中のいろいろな部位に侵害刺激(刺される、切られる、焼かれるなど)を与えると痛みが抑えられるという。Laboratorie de Neurophysiologie :パリ神経生理学研究所のLe Barらが提唱)なども痛みをゆるめるということなのです。そのように様々な研究、報告を受け、1997年、ついにアメリカ国立衛生研究所(NIH)が「鍼灸治療が様々な病気に有効か、有用であるという結論に達し、鍼治療を正式に医療であると認知すべき」との勧告を行いました。これによって鍼治療は一躍医療の一翼を担うことになったのです。アメリカではね(笑い)しかし、現状では「あ〜、鍼灸なんてやめとけやめとけ。野蛮なやり方なんだから」とおっしゃるお医者様もいらっしゃる。これだけ検証されているのに・・・です。 続いて鍼は全般にどのような反応を皆さんに起こすのか?見てみましょう。 |
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