2001-02-28 12:LD50、経口毒性って?


今回はリクエストにお答えして「LD50値」「経口毒性」についてです。

少々お堅く始まりましたが、同じキャラでいきましょう。 最近ふぐ喰ってる、、。相模湾で釣ったやつ。

「だいじょうぶなの〜?」と聞かれていますが、いまもぴんぴん。まあ、テトロドトキシンが体内に入ったら数十分で口の周りがしびれ、これを書いていることはないでしょう(笑い)。
ちなみに自然毒(ふぐも含めた自然の毒物。キノコなんかも、、)での患者数は届けているだけで全体の患者数の2%にもなるそうな。しかもそのうちの死者数は6割を超えるそうだから、かつぎ込まれたら危ないな、というわけですね。ふぐ毒は神経、筋を傷害する毒素の代表格で我々にもおなじみですな。

成人のテトロドトキシンの致死量はどれくらいなんだろう?と調べてみると、なにやらわけのわからん文字が、、、これがLD50です。Lethal Doseの略ですね。これは何かと尋ねれば、、「致死的な服用量」となります。数字は%を指している、、。半数が死んでしまう量、これがLD50値ということなんです。

じゃあ、TTX(テトロドトキシン)はどうなの?LD50は10μg/kgとなります。どう読むの?
「10マイクログラムパーキログラム」意味は?
体重1キログラムあたり10μg体内にはいると半数が死んじゃうよ!という意味。死んだら困るジャン。
だから先に調べてデータにしておく。これは困ったなあ。誰を使ってやるんだよ。
人なら人殺しジャンね。それは危険だ。そこで化学のえらい人たちは動物実験を行いましたとさ。となるわけ。
そんなわけでLD50についてはとりあえず「半数致死率」と覚えることがいいのです。

BBSで簡単にそのことだけを書くのは簡単なんですが、それはここ、Le chambre a sommeilier。なんでか?を追いかけるためにいろいろと調べてみましたよ。で、半数致死率って、精油の世界だけなの?

となりますよねえ。 ここでコーヒーブレイク、、、というとかっこいいのですが、コーヒー?何が入ってるの?カフェインですね。皆さんもご存じ。カフェインは半数致死率ってあるのかね?あるんですこれが、、。

とりあえず並べてみると「マウス雄127mg、ハムスター雄230mg、ラット雄355mg、ラビット関根ではなかった雄246mg、マウス雌137mg、ハムスター雌249mg、ラット雌247mg、ラビット雌224mg(それぞれ体重1kgあたり)」となっている(P.E.Palm 他、The Merck Indexより)。

これはいろいろでてきたぞ。全部ほ乳類だけど種によってどうも数値が違うし、性別でも違うようだ、、、。
これは大変。アロマテラピーの世界では簡単にLD50はこれぐらい、、と書かれている文献が多いが、疑う余地があるのかなあ。となってしまう。
この話はあとでまとめるとして、このデータは「経口毒性」すなわち経口、口から入れた、ということ。研究員がネズミの首根っこをつかんで注射器のシリンダーでカフェインを口に流し込んでいるところを想像すればいい。ですからこれはマウス、ハムスター、ラット、ラビットの「急性経口毒性LD50値」となりますね。それだけかい?となりそうなのでもう少し、、、

急性経口毒性は「orally]」と記載されます(またはP.O.(ペルオスの略))。他にもあるんかな?
と調べてみると「血管内投与」「腹腔内投与」なんかもでてくる。いろいろあってわからんじゃないか!!
しかし、これまで様々な有機化合物の研究を行う上でいろいろな国のいろいろな研究家が行ったわけですから、それはしょうがないのです。有機化合物成分の単独の毒性では少し足並みがそろわないことがあるということを我々は理解しなければならない、というわけ。

精油の世界ではRIFM,IFRA等の研究団体がそれらのデータをまとめています。やっぱりとりあえずはラットかなあ、、。急性経口毒性で表されているのですが、これまでLe chambre a sommeilierで書いたように精油の成分構成による違い、同名の植物精油でもケモタイプの違いで全く異なるわけです。

その辺は再度検証の価値がある、、、。
と思いますがどうでしょう?


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