2001-01-20 10:キャリアオイル〜不けん化物


ごきげんよう。

時間がたつのは早いですねえ。年が明けたと思ったのにもう20日ですよ。あっという間に日々がすぎて行きます。
最近BBSにはまっていた(実は仕事で他のことが多かったのだけれど、、)ので、ちょっと間隔があいてしまったことをお許しください。  

さて、今年からLe chambre a sommeilierでは何をやっていこうか?と思案していましたが、「これは!!」というものが見つからずに日々がすぎていきます。

少々突拍子もないですが、精油精油といってばかりもいられないのでキャリアオイルの話も、、と思いました。私たちがより多く使うキャリアオイルですもの。ある程度はやっておかないと。 で、キャリアオイルの話。

いろんな文献でキャリアオイルのことが書かれていますが、ここにもいろいろ???がありますよ。たとえば小麦胚芽油(Triticum vulgare油)、ビタミンEが豊富です云々。確かに他のものと比べたら豊富。しかし、「ですからにして、Triticum vulgareは酸化しないのです」となっては???です。そこでオイルについて知っておくべきことを書いてみることにしましょう。 オイルは油。当たり前ジャンよ。

ですけど、油と脂をあわせて「油脂」となるわけで、幅広いものです。油脂自体は脂肪酸とグリセリンのひっついたものを指すわけですが、グリセリン1分子に脂肪酸は3つまでつくことが出来ます。だからそれをトリグリセリドと呼びますね。トライアングルのトリです。精油のところでもお目にかかるモノ、ジ、といったグリセリンにひっついた脂肪酸の数でモノグリセリド、ジグリセリドといったものもあります。

ですが、ほとんどはトリグリセリド、と考えてください。まあ、この部分が油脂ですよ、といったところでまずはオッケー。で、化粧品用にも、料理用にも、アロマテラピー用にもオイルは使われていますが、少し違う点があるのです。

まずは不けん化物。 不けん化物は大体の植物油に0.1〜3.0%含まれるんですよ、というところを押さえてね。
不けん化物って何?となるので解説を、、不けんか??けんかしない?温厚なやつなの?いやいや今年も寒っ。そのためには「けん化」を知らないと、、

「けん化」とはもともとエステル結合しているもの(水がとれることでひっついていると思って)、に水を結合させることでその結合がとれること(加水分解)、なんかますますわからんわい。となっている。簡単には植物油に水酸化カリウムなんかを混ぜて加熱すると石鹸になるなんていう反応を「けん化」というのっ。まあ、その先へ進もう。

で、「不けん化物」は何よ?となるので「けん化されないもの」となるのですよ。油脂だけが必要ならば不要なものはとってしまえってんで、「不けん化物」は邪魔者にされてしまうのですが、不けん化物をリストしてみるといろんなものがありまして、「ステロール」「炭化水素」「ビタミン類」「色素」なんかがある。

そうすると天然植物成分無調整云々というとこれらは入ったまんまのものとなるはず。色素は見てみればわかると思うが色がなければこれは「脱色」されたもの。「脱酸」されていれば遊離脂肪酸なんかはなくなっている。大体「油脂」であることを突き詰めるとビタミンなんかはいらないものになってしまうのです。 ビタミンに話が及んだのでビタミンEの話へ、突入。ビタミンEはよく言われるのがTriticum vulgare油、これはビタミンEが豊富なので酸化しない、といわれているがとんでもない話。100gにたった!!240mgしか入っていないのだから、、。

油脂としてのTriticum vulgare油は二重結合をもつ、つまり酸化しやすい脂肪酸が多く含まれたもので、精製されたものはやっぱり酸化しやすいグループになってしまうのです。この場合は不思議なことになる。

つまり、いじっていないTriticum vulgare油の方が酸化しにくく、不けん化物をとってしまったTriticum vulgare油の方が酸化しやすい。いじったおかげで酸化しやすくなってしまうわけ。

それから「色素」。これはおおむねオイルというのは黄色いですね。その色目の原因となるのが「色素」なわけだけど、これはカロテノイド(カロチノイド)で代表的なものはβカロチン。

もちろんビタミンAになる(プロビタミンAと呼ばれる)。これは脱色すると消失ですな。生きのいい、いじられていないオイルならありがたいものも油脂であることを追求するとなにやらもったいないものも失ってしまう。

不思議なものです。

次回はヨウ素価について。
ではまた。


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